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八潮見城 散策・登山ガイド(詳細説明)   

 

1. 八潮見城(上遠野城)の場所とエリア


 常磐高速自動車道いわき湯本IC(ハワイアンズ)方面から古殿・石川方面を東西に貫く道路が、県道いわきー石川線(通称・御斉所街道)です。古くから福島県浜通りのいわき地区と中通りの県南を結ぶ塩の道としても利用されていました。


 湯本ICから車で約10分、上遠野商店街に入る旧道とバイパスの分岐点の右手前にガソリンスタンドと左側にコンビニのローソンがあり、その中間に橋があります。上遠野川に架かる橋(度京橋)です。
ここが城域の東の玄関口です。


 ちなみに西の玄関口は、いわき市遠野支所の手前、根本川に架かる橋です。この東西の橋を外して攻め込んでくる敵を入れないようにするのが、山城・城域の最初の仕掛けです。


 上遠野町内の北側に標高200メートル級の丘陵が迫っています。上遠野中学校の裏手の山です。

この山の上に八潮見城の山城跡があります。八潮見城(上遠野城)は、その丘陵および上遠野川や根本川に囲まれる街並みも含む麓部一帯を城域(エリア)としています。

2.散策登山・遊歩道のコース


 上遠野川の橋(度京橋)を越えて、旧道の町中に入ると、山城の中心部である主郭(本丸)に到る散策・登山道のルートは、現在、八潮見城探検隊により、2つのコースが整備されています。


(1) 東側の八幡神社から登り、八幡神社へ戻ってくる楽々健康・散策コース

 なるだけ早く最短時間で山頂の山城跡へ行きたい時や、初日の出を見に行く場合などには、こちらのショートコースを利用します。


(2) 西側の上遠野公民館からスタートし、八幡神社へと下りてくる健脚・おもしろ一周・登山コース
 八潮見城跡散策のすべてが楽しめます。ゆっくりまわって2時間程度はかかります。


 城を攻める側(寄せ手)になったつもりで、または、城を守る城兵になったつもりで、そこかしこに

ある山城の様々な仕掛けを見つけ、想像を膨らませて、その意味を解き明かして行きましょう。

3.散策・登山の目標となる場所や仕掛けの説明


 上遠野公民館からスタートして、亀の子石山やしのぶ平を通り、山城の本丸へ、そして、八幡神社へと下りてくる周遊した場合の健脚・おもしろ一周・登山コースの主な目標となる場所の説明をします。


① 上遠野公民館の駐車場からスタートして、やしおみ荘の横を通り、八潮見城散策路入口示す大きな
  看板のある所に行きます。


② 三峰神社の鳥居をくぐると急な坂道となります。最初から一番の難所かな?
  急坂をしばらく登ると三峰神社の小さなほこらがあります。


亀の子石山 亀の形をした大きな岩です。のろし台として利用された跡があります。
  ここまで来れば、ここから先の登山がかなり楽に感じられます。最初の目標としましょう。


しのぶ平 登山コース最高度の三角点があります。長いロープで急坂を登りきるとたどり着きます。
  全行程において一番の高所なので、ここからが丘陵の尾根づたいに歩くことになります。


ばいさく峠 遠野和紙づくりで知られる深山田(みやまだ)地区の里や三大明神等の山並みが望め

  ます。 いよいよ、ここから先には、山城特有の様々な仕掛けが待ち受けています。


堀切 丘陵の尾根などに堀を作って敵の移動や侵入を阻止する施設です。 現在は、堀底道からの
  段差に探検隊がロープを設けています。(1重段目のロープ登り段差)。


武者走り この辺りに来ると巨大なモミの木があります。モミの木に耳を近づけると?
  大きなスギの木も何本もあり、この辺りは、ちょっと薄暗く感じます。


土塁 2重段目のロープ登り段差を登りきると、土を盛ったり、削り残して作った帯状のかたまり

  の土塁があります。ここも敵の進路を遮断するもので、土居ともよばれます。


主郭部(本丸)城跡
  井戸跡   土塁から主郭部へ下ると井戸跡が2カ所見れます。城作りには大変重要な井戸です。
  石垣     野面積みと呼ばれる積み方で、石材は深山田地区の河原から運んだと考えられます。
  山城館跡  館跡には、現在、探検隊が雨をしのげる東屋(あずまや)やお休み処を手作りしました。
  桜の木   探検隊が桜の木を植樹しました。4月下旬ら5月上旬にかけて山桜の花が咲きます。
  そろばん橋 敵が攻めてきたときに空堀へ落とすことが可能な城門前の引き橋です。
  鐘つき堂  そろばん橋の東側外には鐘つき堂の跡とみられる場所があります。


曲輪(くるわ) 山の斜面を人為的に、階段状に削って平にした場所です。
  ここには、家臣たちを住まわせたようです。


夢展望 主郭部から上遠野地区を一望できる見晴らしの良い展望台です。
  遠くにいわき七浜
(勿来、小名浜、永崎、豊間、薄磯、四倉、久之浜)と北茨城の海岸の一部、

  すなわち八つの潮路が見渡せる事から八潮見の由来となりました。


天然の城壁 本丸の北側は、自然の擁壁に囲まれています。

  現在、通りやすくする為に、城壁の一部の裏側から通り道を設けています。
 そろばん橋手前の城壁の下一帯には、5月から6月頃にシャガの花が咲きます。


堀底道 本丸から八幡神社へ至る途中には、敵の進路を遮断する堀底道があります。
  現在、探検隊員が、段差の大きい堀底道には、ロープでの登り下りや迂回路を設けています。


⑭ 八幡神社に最も近い堀底道には、木材と土で階段を設けています。


八幡神社 登山道を降りきると(こちら側から登るときには最初に)、郷社 八幡神社があります。
  八幡神社からは、旧道の上遠野商店街を通って、上遠野公民館へ戻ることになります。
 また、神社の左側方面へ、遠野バイパス分岐点にあるコンビニのローソンに立ち寄ったり、城域の東

 の玄関口である上遠野川の橋を渡って、ガソリンスタンドの矢渡隊長に気軽に挨拶するもよし。

 楽々健康・散策コースについては、逆に⑮八幡神社から⑭⑬⑫⑩⑨⑪へと登り、帰りは、来た道を

 ⑪夢展望から、本丸を通り、そろばん橋を渡って⑫⑬⑭⑮へと戻ってくる事になります。
  
 ちなみに、約450年前当時の本道(大手筋)は、円通寺参道より上遠野中学校の校庭を通ったところにあり、上遠野中学校から小学校のあたりは、平時の際の屋敷跡で、有事の折には大手筋を登って、山城に立てこもり(地域住民も含めて)敵に備えたとの由来があります。

 春夏秋冬、一年中楽しめる戦国時代に作られた八潮見城跡をめぐる散策路コースとなっています。
いわき市は、太平洋側なので、冬に雪はあまり深く積もりません。たまに降る雪の日の翌日に、うすく積もった雪道の散策路を歩くと、動物の足跡なども見れて風情があります。

駐車場は、上遠野公民館 駐車場をご利用下さい。ここには、散策・登山の案内板があります。

平成28年10月11日 まとめ 八潮見城探検隊 理事 鈴木  茂利  

  監修  八潮見城探検隊 隊長 矢渡伊佐夫 

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